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2009 年12 月29 日

四川大学華西医院 訪問記

 三国志の蜀の都としても有名な成都にある四川大学華西医院と金沢大学とは,大学間協定を結んで国際交流を行っています.
 2年前の大震災のため昨年は交流できませんできませんでしたが,今回12月17日より23日の間,以前より交流の中心となっている村上清史前金沢大学がん研究所教授と,当教室の山下竜也特任教授,荒井邦明特任助教で訪問しました.
 訪問した四川大学華西医院はベッド数4000床以上,一日の外来患者数1万人を超え,中国のみならず世界でも最大級の病院です.
   ★外来棟
2009華西大学1


   ★入院棟群
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   ★本部の建物
2009華西大学3


 新設された教育センターの視察では,医学教育および医療技術トレーニングが効率よく学習・習得可能な設備が導入され,学外の医師にも解放されている様子は,既に欧米の教育システムを導入しているようでした.各種のトレーニング用の機器,モデルが導入され,また病理標本なども整備されていました.
 同時に開催された医学交流シンポジウム「New Advances in Hepatitis Virus and Hepatocellular Carcinoma」では,北陸の臨床研究開発の現状,肝癌診断および治療の現状について発表し,意見交換を行いました.
2009華西大学5


2009華西大学6


 また華西医院では,腹部腫瘍内科,超音波科,感染症科,肝臓外科のスタッフと情報交換を行い,今後の短期臨床交流や共同研究などの計画についても意見交換をしました.中国における肝炎,肝癌診療は既に世界水準にあることを実感し,その症例数には圧倒されました.
 しかし保険制度の違いからか,肝炎・肝癌治療の対象は進行症例が中心であり,スクリーニングや早期診断・治療の点ではまだ日本の治療が優れている点もありました.
 また中国ではHIFU(高密度焦点式超音波療法)が前立腺癌のみならず,肝癌にも臨床応用されていました.
2009華西大学9


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 現在の教授やスタッフの多くは,欧米での留学経験を持ち,その経験を活かし改革に取り組んでおり,訪問したいずれの施設においても教員および学生とも活気にあふれておりました.この改革の速度や活気は,日本でも見習う必要があると思われ,刺激を受けて帰国しました.



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投稿者:第一内科医局員
at 15 :47 | トピックス

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